

結婚式の準備が進むと、新郎の衣装にも決断のときが来ます。
レンタルにするか。オーダーで仕立てるか。
家族を中心とした挙式、ガーデンウェディング、カジュアルなパーティースタイルなど、どのような結婚式を考えるかによっても、衣装選びの前提は変わります。
ただ、本当に考えたいのは、単純な購入方法の違いだけではありません。
結婚式の一日だけを基準に選ぶのか。
その後も着る一着として選ぶのか。
この視点を持つと、レンタルとオーダー、それぞれの意味が見えやすくなります。
結婚式の新郎スーツは、レンタルとオーダーのどちらかが一律に優れているわけではありません。
選択するときに考えたいのは、大きく4つです。
まず優先されるのは、その日の結婚式に必要な格式です。
そのうえで、身体へのフィットや、結婚式が終わったあとも着るのかを考える。
レンタルかオーダーかを決めるときは、式当日だけでなく、その服をその後どう着るかも判断材料になります。

タキシードのように、着用する機会が限られる礼装があります。
『ドアはあけたらおさえましょう』では、タキシードを着用する行事に招かれることが滅多にないのであれば、レンタルするほうが便利だという考え方が示されています。
つまり、その礼装を結婚式後にほとんど着る予定がないのであれば、レンタルは十分に合理的な選択です。
レンタルは妥協ではありません。
着用する目的と頻度によっては、所有しないことにも合理性があります。
一方、同資料では、レンタルを繰り返すようになった場合には、自前のものを購入することも選択肢になるとされています。
大切なのは、「レンタルか購入か」を先に決めることではなく、その服をどのくらい着るのかを考えることです。
オーダーの価値のひとつは、身体と用途に合わせて服を組み立てられることにあります。
既製服は標準的な体型を前提として作られています。
オーダーでは、採寸をもとにサイズを調整し、体型に応じた補正を加えることができます。
標準サイズでは合わせにくい場合にも、身体に合わせるための調整の余地が広がります。
そして、服の印象を左右するのは価格や生地だけではありません。
どれほど上質な服でも、サイズが身体に合っていなければ、その良さを十分に生かすことはできません。
ただし、ここでいう「合っている」は、身体を細く締めつけるという意味ではありません。
必要なゆとりを残しながら、身体に沿っていること。
それが、大人のスーツに求めたいサイズ感です。
オーダーでは、生地だけでなく、裏地、ボタン、襟型、ベストなども用途に合わせて選ぶことができます。
だからこそ重要なのは、「オーダーだから良い」ではなく、何のために、どのように着る一着なのかを先に考えることです。
DEFFERTで新郎衣装をご相談いただく中には、
「結婚式当日だけ華やかに着る衣装ではなく、その後も友人の結婚式などで着られる一着にしたい」
というご希望があります。
これは、新郎衣装を考えるうえで大切な視点だと考えています。
資料では、濃紺やチャコールグレーなどのダークスーツは、さまざまなパーティーやレセプションで広く用いられる、活用度の高いフォーマルスタイルとされています。
式後も着ることを考えるなら、活用度の高いダークスーツを用途に合わせて仕立てることも、選択肢のひとつです。
結婚式当日は、式の格式を踏まえながら、タイやポケットチーフ、ベストなども含めて装いを考える。
そして結婚式が終わったあとも、場面に合わせて装い方を変えていく。
一度きりの衣装ではなく、その後も袖を通す一着として考える。
オーダーには、そんな選び方もあります。
結婚式において、新郎は主役であると同時に、ゲストを迎える側でもあります。
資料では、新郎の婚礼衣装は、新婦の衣装の格式に合わせることが一般的とされています。
また、式場、時間帯、ドレスコードなどによっては、モーニングやタキシードといった礼装が適する場合があります。
そのため、
「結婚式後も着られるから」という理由だけで、その日に必要な格式を下げるべきではありません。
式後の使いやすさを考えるのは、まず結婚式当日に求められる格式を確認したうえでのことです。
会場、時間帯、指定された装いなどを確認します。まず満たすべき前提です。
新郎の婚礼衣装は、新婦の衣装の格式に合わせることが一般的とされています。
標準サイズで無理なく合うのか。合わせにくい場合には、身体に応じて調整できる方法を考えます。
その後ほとんど着る予定のない礼装であれば、レンタルには合理性があります。
一方、結婚式後も着たいと考えるなら、その用途まで見据えて一着を仕立てる意味が生まれます。
一日のための礼装であれば、レンタルは確かな選択肢です。
その先も着る一着を望むなら、オーダーという選択にも意味があります。
大切なのは、どちらが上かを決めることではありません。
その結婚式にふさわしいこと。そして、その服をその後どう着たいのか。
DEFFERTでは、新郎衣装についても、挙式当日だけでなく、その後どのように着たいかまで伺いながらご提案しています。
数年後、友人の結婚式に招かれる。
クローゼットから取り出すのは、あの日に仕立てた一着。
今度は、祝う側として袖を通す。